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iDOL COMB@T -SoD- 外伝

たかねとひびきが公式化すると聴いて、速攻で書いてみた。
・・・この2人の口調、どーなるんだろう?
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iDOL COMB@T -Song of Deception-
- Another story1-Open war-


[タリア川上空/15000ft/オーレリア・レサス国境線]
[2020年/9月20日/0900時/開戦5時間後]

夏の気配を見せる淡い空と、高い空に白い絵の具を薄く引き延ばしたような雲。それらを背景に、無数の飛行機雲と機銃の曳光弾、そして黒煙とで、オーレリアとレサスの国境、タリア川の上空は彩られていた。
明朝から始まったオーレリア空軍とレサス空軍による航空戦――後の戦史に於いて、タリア航空戦と呼ばれる戦闘は、互角の戦いから、オーレリアによる駆逐戦へと移行しつつあった。
「スプラッシュ・ダウン・バンディット」
目の前でミサイルの直撃を受けて堕ちていく敵機を見下し、私――響は報告する。
『撃墜確認、アスター12が1機撃墜』
『よくやったな新人。後3機でエースの仲間入りだ』
僚機である貴音の報告、隊長機の声。
そんなやり取りをしつつ、オーレリア空軍第56戦闘航空団第562飛行隊、562thTFS“アスター”に所属する12機のタイフーンは集合し、互いの間隔を数百メートルとった戦闘編隊飛行へと移る。
悪くない結果かな。と、響は呟いて、HMD越しに周囲の空を見渡した。
つい数十分前までは敵と味方、互角の数の戦闘機が空戦を繰り広げてたけど、今では見渡す限り、オーレリア機が自由に飛んでいるのが見える。
レサス機もいないわけではないが、大半は黒煙を吹いて墜落しているか、ミサイルに追い回されている始末。
全体で見れば少なくない損害を出したけど、私の部隊は無傷で、そして私自身も4機のスコアを記録していた。
『あらかた片づいたな・・・ディスコクイーン、ピクチャーはどうなってる?』
隊長が、遙か後方のAWACSに戦局を訪ねる。
『敵機の75パーセントを撃墜。DASの部隊は10分ほどで当空域に進入する。アスターは別命あるまでBERCAPを継続せよ』
『アスター01了解』
いつもなら腹立たしい事務的の声も、この戦果の前では気にならない。
もう一度空を見上げ、響はこれまでの流れを振り返った。
宣戦布告と同時に、典型的な電撃作戦を持って侵攻が始まったのが今日の未明。
その数時間後には、戦線正面にいた国境警備隊は敗走し、対するレサス軍は橋頭堡を築きつつあり、2日としないうちに侵攻を再開するとの予測が下された。
そこで、侵攻阻止の為に航空反攻作戦が発動され、その第一段階として、ひびきを含む戦闘機隊の大半がこの地の制空権争いに投入され、そして勝利しつつある。
全てが、作戦通りに進んでいた。
地上部隊を叩く攻撃機隊も既に飛び立ち、一度は敗走した国境警備隊も、橋梁の爆破と高速道路の障害物設置をこなしつつ後退中。
その背後では、陸軍の主力である第3師団が防衛陣地を構築中で、各地の陸軍も移動を開始している。
全ては計画通りに進んでいた。少なくとも、私はそう確信していた。
思ったより多くの損害が出てるけど、敵は文字通り壊滅への道を歩みつつある。現に、その第一歩である航空優勢は掌握したも同然だ。
不意鳴り響く警報。
『警報。状況、MRBM攻撃』
次いでAWACSから警告が飛ぶ。
『各機、周辺警戒を怠るな』
思考を中断し。落ち着き払った声で隊長が命ずる。
弾道弾攻撃なら、その標的は地上部隊となるはずだ。
無論、地上部隊は弾道弾を迎撃するための装備を有しているし、近海には海軍のイージス艦も展開している。この状況で、戦闘機に出来ることは何もない。
中距離弾道弾のアイコンは編隊の上空を通過、後方のAWACSや攻撃機隊の上空に差し掛かり――唐突に消えた。
MFDがフリーズし、一瞬の間をおいて、攻撃機隊のアイコンが次々と撃墜を示す×印に切り替わり、AWACSやJSTARSも落とされたのか、Errorの文字だけが映る。
『データリンクの故障か?』
『今のはいったいなんだ?!』
先ほどまでの余裕な空気が消え去り、無線を意味のない言葉が飛び交う。緊張と混乱が取って代わる。
一瞬だけ陽光が遮られ、私は空を見上げた。
絵の具を引き延ばしたような雲が広がる高い空を、視界を分割するように飛ぶ流れ星がひとつ。
「流れ星?・・・・っ!!」
それが、大気圏に再突入するMRBM(中距離弾道弾)の弾頭であると気付いた瞬間、流れ星は爆発。
咄嗟に目を強く閉じたけど、それでもなお強烈な光で網膜が焼かれ、全てが真っ白に染まる。
続いてハンマーで強打されたような衝撃で機体もろとも揺さぶられ、急激な加速度の変化で三半規管がマヒし、平衡感覚が失われる。
爆発で白くなった視界が大Gで真っ暗になり、頭が発狂し掛ける中、パニックボタン――オートパイロットのスイッチを押し込む。
《Auto Pirot On》
無個性な合成音声と共に、各部の動翼とエンジンが動き、タイフーンを水平飛行へと戻す。
血液の急激な移動で全身が熱くなる中、何とか平静を取り戻して周囲を見やる。
「え・・・?」
先ほどまで編隊を組んでいた仲間の大半が消え、僅かに残った機も、呆けたように水平飛行している。
黒煙を吹いた機体や、主翼をもぎ取られて墜ちてゆく機体もある。
反射的にMFDに目を落とすと、12機の内、私と貴音を除く10機が消えていた。機載レーダーを確認すると、さっきまで空域を満たしていた味方のアイコンが、撃墜を示す×印に取って代わっている。既に、3分の1程度しか残っていない。
「墜とされた――?」
「アスター11・・・貴音?!」
『――大丈夫、生きてるから――響は?』
僚機の定位置に収まりつつ、貴音は答える。
「私は大丈夫」
『そう、よかった・・・』
耳障りな警告音が響き、
『レーダーコンタクト――なんなのこの数!』
安堵するまもなく、緊張した貴音の声が飛び込む。
レーダーレンジを中距離から長距離モードに切り替えると、無数の赤いアイコン――レサスの編隊がこの空域に侵入しつつあった。
傍観者から当事者へと立場が急変し、全身が緊張で強張るのがわかる。
「落ち着いて。少しすれば援軍だって来るはずだし、時間を稼ご」
さっき、MFDに映っていた情報が間違いならだけど。
振り向いて貴音の機を見やると、ほんの少しふらついているのが見て取れた。
どんな複雑な作戦もこなせるのが彼女の良いところだけど、突発的な状況に対応できないのは欠点だ。
「私が前に出る。貴音は後について」
『Ja・・・ごめん』
「気にしなくて良いよ――アスター12、エンゲージ」
交戦すると言い放ち、そしてMFDを操作し、残存武器と機の状況を写す。
エンジンとFCSは問題なし。フライバイワイヤーの感度も良好。
武器はサイドワインダーが1発に、アムラームが2発、そして機銃が330発。一戦やらかすには十分な数だ。
「Let’go Gate!」
不安を吹き飛ばすように吠え、スロットルを叩き込んでアフターバーナーに点火。アッソルート社製AL-30LRLエンジンの甲高い雄たけびを伴い、接近しつつある敵編隊よりも高度を稼ぐ。

多分続く
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